サイゴン路地裏物語

ベトナム・ホーチミン市の路地裏に住む日本人が見た素顔のベトナム人。


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サイゴン路地裏物語



会社に縛られない生き方

知り合いのベトナム人デザイナー・ドゥック君が会社を辞めた。
「次の仕事は決まっているの?」
「いや、まだです」

気楽な独身ならまだしも、彼は既に40歳に手が届こうという年齢で、奥さんと一人息子がいるのだ。しかも貯金は「まったくない」という。
「奥さんにはちゃんと相談したの?」
立ち入った質問だとは思ったが、他人事ながら気になって聞いてしまった。

「新しい上司が無茶ばかり言う人なんですよ。それを妻に説明したら『そんな嫌な思いをしてまで、会社に居続ける必要はないんじゃない? 私の給料でとりあえず生活はできるんだから、辞めてしまいなさいよ』と大賛成でした。いい仕事が見つかるまで、しばらくは主夫業を楽しみますよ」
ドゥック君はニコニコ笑いながら、こう答えてくれた。

ベトナム人は日本人に比べて会社への定着率が低い。その理由に関しては、多くの専門家がいろいろな分析をしている。例えば「会社への忠誠心が日本人に比べて低い」「我慢することを知らない」「目先の損得しか考えないので、少しでも給料が高いところがあれば、そちらに転職してしまう」など。私はそれらに加えて、「共働きが多いから」というのも、理由に挙げられるのではないかと感じている。

知り合ってかれこれ20年になるベトナム人女性ハイさんは、職場の環境が気に入らないと、すぐに会社を辞めてしまう。私が進呈したあだ名が「転職の女王」。彼女のこれまでの転職回数は確実に20回を超える。本人が「何回転職したのか私自身、覚えていない」と言うほどだ。

彼女はほとんどの場合、転職先を決める前に辞めてしまう。でも「旦那も働いているので生活には困らないからね」と平気だ。「嫌な思いをしてまで働く必要はない」と見切りが早いのも、転職先を探すときに「希望の給与額を下げてまで雇ってもらおうとは思わない」と妥協しないのも、経済面での不安がないことが大きい。

独身者の場合も状況は似ている。親と同居している人の割合が高いから、生活に関する心配は不要だ。親も親で、子供から「今の会社は自分の能力を認めてくれない」などと相談を受けると、「そんな会社辞めて、もっといい会社を探したら? 寝るところと食べるものはあるのだから」と後押しする。

会社員が、理不尽な上司や過酷な労働条件に耐えて働き続けるとしたら、その理由の一つは「収入がなくなるのが心配だから」だろう。一方で、雇用する側は、心のどこかに「無収入になったら困るから、少々つらいことがあっても社員は我慢するはず」と高をくくっているところがあるに違いない。

ところが配偶者や親など「家族」という経済的セーフティーネットがあるベトナム人が相手だと、これが通用しない。転職が多いことはデメリットもあるが、「会社に縛られない生き方をしている」という見方もできるのではないか。われわれがベトナム人社員を雇用するときには、自分たちが意外と手強い人たちを相手にしているのだと肝に銘じておいた方がいいだろう。

【写真キャプション】
民間信仰・聖母道の聖地である西湖府(ハノイ)で祈りを捧げる家族

(初出:時事速報ベトナム版2019年05月21日/改稿:2020年10月05日)
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