サイゴン路地裏物語

ベトナム・ホーチミン市の路地裏に住む日本人が見た素顔のベトナム人。


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サイゴン路地裏物語



銀行ですら規則に緩いベトナム流

私が持っている複数のクレジットカードのうちの1枚を解約することにした。手続きは簡単だ。銀行のクレジットカードカウンターに行き、書類に必要事項を記入するだけ。これが受理されると、カードを作ったときに預けた保証金が戻ってくる。

私はクレジットカードを発行してくれたベトコムバンクを訪れた。

対応してくれたのはトゥインさんという若い女性の行員さんだ。私が外国人と分かると、すぐにベトナム語から英語に切り替え、終始笑顔で説明してくれた。手続きは5分もかからずに終了。

「本日から45日後以降に、このカウンターで保証金をお返ししますね。その時は、この引換証とパスポートをお持ちください」
彼女はそこに書かれた返金日を指で示しながら教えてくれた。

私は少し考えてしまった。受け取りに何日かかかることは知っていたが、1〜2週間程度かなと予想していたのである。実は近々、長期で出張に出る予定があり、出発前にお金を受け取れたら嬉しいなと思っていたのだ。ダメで元々と思いながら彼女に事情を説明し、「返金日を早めてもらえないでしょうか」と頼んでみた。

「どれくらいですか?」
「20日後に受け取れると助かるんですが」
「書類の受理日から45日後以降というのが規則ですから。1日か2日の前倒しならともかく、そんなに早いとなるとちょっと……」
と小首をかしげながらも、「上司に相談してきますね」と席を離れた。

数分後に笑顔で戻ってきた彼女が持っていた引換証には、元の日付が消されて、私の希望通りの日付が書かれていたのである。私はお礼を言って銀行を後にした。

一方、日本では対照的な経験をした。ある行政機関に書類を提出したときのことである。ベトナムでは公式の書類に記入をするときのインクの色は青が一般的だ。ついその癖が出て青いボールペンでサインをしてしまったのである。

窓口に提出すると係の人から「書類へのサインは黒と規則で決まっています。記入をやり直して、再提出をお願いします」と言われてしまった。仕方がない。自宅に戻ってやり直しである。

あくまでも私の個人的な印象ではあるが、ベトナムでは規則を曲げて対応してくれる確率が、日本よりも高いような気がする。そもそも日本であれば、無理を頼もうという気にならない。一方ベトナムではダメ元で頼んでみることが多く、そしてたいていは聞き入れてもらえる。

この一事をもって「杓子定規な日本はダメで、融通が効くベトナムは素晴らしい」と主張するつもりはない。日本が規則に厳密なのは、それなりの理由があるからだろうし、ベトナムは時に規則が緩すぎて困ることもあるからだ。

日越両方の良し悪しを経験している私としては、「日本がもう少し柔軟になり、ベトナムがもう少し厳格になれば、ちょうどいい按配なんだけどなあ」と感じてしまうのである。

*写真はホーチミンシティにあるベトコムバンクタワー。

(本稿初出:2019年7月22日)
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