サイゴン路地裏物語

ベトナム・ホーチミン市の路地裏に住む日本人が見た素顔のベトナム人。


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サイゴン路地裏物語



規則より人間関係重視


「こちらの勝手を言って申し訳ないのですが、月末に予定されている支払いを前倒しでお願いできないでしょうか」

取引先の日本人担当者から、こんな電話が入った。キャッシュフローに余裕がない零細企業同士、困ったときはお互いさまである。私はすぐに自社の法人口座に十分な残額があるのを確認して、ベトナム外商銀行(ベトコムバンク)に赴いた。

ところがである。書類に必要事項を記入して行員さんに渡すと、「送金手続きには、会社印とパスポートに加え、あなたの会社の事業許可証が必要です」と言われてしまったのだ。

「ごめんなさい。今日は持参していないのですが」
「では記入していただいた書類はいったんこちらでお預かりし、事業許可証を持ってきてくださったときに送金手続きをしますね」

時刻は既に午後4時近く。事務所まで取りに戻っていると、営業終了時刻の4時半を過ぎてしまう。

「実は、取引先はすぐにお金が必要で、今日中に振り込んでほしいと頼まれているのですが、何とかなりませんか」
「これは規則ですから……」

このとき対応してくれたのが、顔なじみの行員さんだったことも幸いしたのだろう。重ねて依頼をすると、奥の席に座っている上司にかけあってくれた。私のいるカウンターからでも、渋い顔をしている上司に対し、彼女が熱弁を振るっている様子が見て取れる。

ちょっと時間はかかったが、結果的には「御社は当行との取引が長いお客さまですから、今回は例外として認めましょう」ということになったのだ。「ただし明日には、必ず事業許可証を持ってきてくださいね」と念押しをされたのは言うまでもない。

私がベトナムで生活するようになって、規則よりも人間関係が優先されることが多いのに驚いた。日本でも顔なじみであれば、規則を曲げて融通を利かせてくれることはあるが、ベトナムの方がその可能性は高いと思う。断られるのを覚悟の上での依頼を聞き入れてもらい、助かった経験は数え上げるとキリがない。

ただし、これを手放しでは歓迎することはできない。規則によって確保された公平性や平等性よりも、人間関係が優先されることによる弊害は、ベトナム社会のいろんな場面で見ることができるからだ。

入札で発注先を決める際に、見積もりそのものは高かったにも関わらず、発注者の身内の会社が受注してしまう。権力者の親戚の会社には、事業許可が簡単に下りてしまうなど。こういううわさ話は、ちょくちょく耳にする。

そういう弊害はあるにせよ、私はベトナムが規則一点張りの国にならないことを願っている。時には規則よりも人間関係を優先させた方が、おそらく社会はスムーズに動くのだから。

【写真キャプション】
ベトナム大手銀行の一つであるベトコムバンク・ホーチミン支店の入るビル。

(初出:時事速報ベトナム版2019年09月26日/改稿:2020年11月02日)
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