サイゴン路地裏物語

ベトナム・ホーチミン市の路地裏に住む日本人が見た素顔のベトナム人。


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サイゴン路地裏物語



下町にはお節介がいっぱい

今朝、バイクで移動中に交差点で信号待ちをしていると、私の右斜め後ろにいるバイクが、私のほうに寄ってくるのが視界に入った。乗っているのは、黒いタイトのミニスカートに白いブラウスの若い女性。これから出勤する会社員の方だろうか。

「道でもたずねられるのかな。面倒だな」という思いが先に立ち、視線をそらせていると、彼女はついに私の横に並び、「ちょっと、お兄さん!」と声をかけてきた。

こうなると無視し続けるわけにはいかない。「はい?」と振り返ると、彼女は、下の方を指差しながら、
「お兄さんのバイクのマフラーに、ゴミがひっかかっていますよ」

慌てて見てみると、確かに、マフラーのところに、黄色いポリ袋が引っかかっている。彼女はそれを教えてくれるために、私の横に来てくれたのだ。
「ありがとう!」
とお礼をいうと、彼女は「どういたしまして!」と笑顔を返してくれた。こういう親切にふれると、朝から気持ちがいいものだ。

こんなこともあった。自宅近くの交差点で信号待ちをしていると、すぐ近くの歩道でバゲットサンドを売っていた中年女性が歩み寄ってきて、
「お兄さん、タイヤの空気が抜けているみたいだよ」
と教えてくれた。バイクを降りて調べてみると、タイヤに釘が刺さっているのが見つかった。パンクである。

バイクがパンクしても慌てることはない。ホーチミンシティの街中には修理屋さんがたくさんあるからだ。交差点のすぐそばにも修理屋はあったが、自宅の近所にある顔見知りのバイク屋さんに持っていくことにした。

速度を落としてバイクを走らせていると、後ろからやってきたバイクに乗ったおばさんが、
「お兄さん、バイクがパンクよ。修理屋さんは、すぐそこだから」

お礼だけ言って走り続けていると、次の交差点では、角の歩道にバイクを停めていたバイクタクシーのおじさんが、
「兄ちゃん、少し戻りな。そこに修理屋があるから」

このように、自宅近所のバイク屋さんまで移動するわずか数分の間に、4人もの人が声をかけてくれたのである。もちろん、まったく見知らぬ人ばかりだ。

こういう例をあげていくとキリがない。例えば昼間、ヘッドライトをつけたまま走っていると、対向車のバイクが「ライトがついていますよ」と教えてくれた。方向指示器を消し忘れていると、後ろを走っていたバイクが速度をあげて横に並び、「指示器! 指示器!」と注意をしてくれた。道路脇の屋台のおばさんが、私の足元を指差しながら大声をあげるので何事かと思ったら、センタースタンドのしまい忘れだった、などなど。

日本人はベトナム人に勝るとも劣らないほど親切だと思うのだが、こういう声がけをする頻度は、ベトナムに比べて低いと感じる。他人の意思を尊重して気になることがあってもあえて口を出さない、「注意をしても、感謝されるどころか、逆ギレされたらどうしよう」という不安があるなど、声がけをしないのには、何らかの理由はあるのだろう。

それは分かるのだが、私はお節介なベトナム流に軍配をあげたい。

注意しても「そんなこと分かっている」と言い返されたり、逆ギレされたりすることがあるかもしれない。それでも気になることがあれば、一声かけるようにしたい。そして自分が注意を受ける側に回ったときには、例えわざとやっていることであっても、「注意してくれてありがとう」と笑顔を返すようにしたい。そのほうが社会のの居心地は、少しだけ良くなるだろうと思うからだ。

(本稿初出:2019年9月2日)
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