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サイゴン路地裏物語 2019/08/12 イライラしている日本人 イライラしている日本人 先日、日本に一時帰国したときのことである。85歳になる父と共に外出した。目的地は最寄り駅から少し距離がある。タクシーを捕まえようと、交差点から少し離れたところに立って手を上げた。 すると、交差点の横断歩道のところに立っていた女性が、ツカツカと私達の横にやって来て、 「そこのジジイ! 私はタクシーを待っているの。私の後ろに並びなさいよ!」 いきなり怒鳴りつけられて、私は驚いた。 見たところ40歳前後で、高級そうな濃い紫色のワンピースに身を包んでいる。身なりは「良家の奥様」という感じだ。横に小型のスーツケースがあるところを見ると、旅行に出るところだろうか。私達はとりあえず、その場を離れることにした。すると女性は、スーツケースを引きながら後ろを付いてくる。 その間も通りを行き交う人々が振り返るほどの大声で、 「ジジイ! 逃げる前にまず私に謝りなさい!」 「こんな失礼な人に会うの、人生で初めて。だから私はジジイが嫌いなの!」 「人に迷惑をかけていながら、謝らないなんて、どういうこと!? この恥知らずのジジイ!」 などなど、「よくぞここまで言葉が出てくるものだなあ」と感心してしまうほど、悪態は途切れることがない。 最終的に、父と私は脇道に入って女性を振り切り、無事にタクシーに乗り込んだ。彼女がタクシーを待っていたということに気付かず、かつすぐに謝罪をしなかった私達にも非はある。それにしても、いきなり怒鳴りつけてくるとは……、よほど虫の居所が悪かったのだろうか。 ここまで強烈な例はさすがに珍しいが、日本にしばらく滞在している間、イライラしている人が意外と多いのが気になった。 喫茶店で自分が出したポイントカードが使えないことを教えられ、店員にネチネチと文句をつけている中年女性。コンビニで小銭を探しているお客さんに、後ろから「おい、早くしろよ!」と舌打ちをするサラリーマン風の男性、などなど。気をつけていると、1日に1人は「イライラしている人」を見つける。あくまでも私の感覚値だが、その頻度はベトナムよりもはるかに高い。どうしてだろう。 これについて日本の友人達に話を振ってみると、いくつかの回答をもらった。いちばん多かったのが「日本は少子高齢化など様々な問題を抱えていて、明るい将来が見えにくいから」というものだ。それも一理あると思う。ではベトナムの将来が明るいかというと、むしろ日本以上に不安は多い。 例えば高齢化1つとってもそうだ。ベトナムは今でこそ若者の多い国だが、日本以上の速度で少子高齢化が進んでいる。経済発展した後で、高齢化社会を迎えた日本はまだ救いがある。ところがベトナムではその前に、高齢化社会を迎えてしまう。もちろんベトナム政府も国民もそのことを知っている。 ベトナム社会が抱える問題は他にもたくさんある。確かにベトナムは成長著しい国だが、その豊かさが今の日本のレベルに達するのに、いったい何十年かかることか。どんなに早くても、私が生きている間には実現しないに違いない。 そう考えると、イライラしている人はベトナムのほうが圧倒的に多くなるはずだ。ところが私の目には、ベトナム人のほうが気持ちに余裕があるように見える。私達日本人はこの点において、ベトナム人から学べるものがあるのではないか。 これには、完璧主義で減点法で物を考える傾向が強い日本人と、「ほどほど」主義で加点法で物を考える傾向が強いベトナム人という、本質的な国民性の違いも関係しているだろうから、一朝一夕に変えることは難しい。しかし一人一人が、自分のできる範囲で「イライラしない努力」を始めてみてはどうだろう。そうすることで社会全体の幸福の総和は増え、最終的に得をするのは他ならぬ私達自身なのだから。 *写真はホーチミンシティの下町の路地を歩く物売りの女性。 (本稿初出:2019年8月12日) コメント(0)