サイゴン路地裏物語

ベトナム・ホーチミン市の路地裏に住む日本人が見た素顔のベトナム人。


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サイゴン路地裏物語



ベトナム正月の美しい習慣

新年を旧暦で祝うベトナムでは、2019年は2月5日が元日だった。ベトナム正月のことを「テトTet」という。テトに関する数々の習慣の中で、私が好きなのはお祝いの言葉を交わし合う「チュックテト」である。日本の年賀の挨拶とは少し違う。

例えば我が家では元旦、妻と私は義母の前に立ち、「お母さんが今年一年、健康と幸福に恵まれ、万事が思い通りになりますように」などとお祝いの言葉を述べる。そのときは腕組みをするか、もしくは体の前で手を組む。これは目上の人に敬意を払うときの姿勢なのだ。我々の挨拶が終わると、今度は義母の番で「いつまでも夫婦仲良くね」など返礼をする。

私の娘は、一家でいちばん年長の祖母に「チュックテト」をしてお年玉をもらい、次に両親である我々に同じことを繰り返す。これをせずにお年玉をもらおうとする横着は許されない。

新年2日目からは、年賀の挨拶回りが始まる。我が家にも親戚が次々とやって来て、挨拶のやり取りが繰り返される。幼稚園くらいの小さな子供でも、「チュックテトしなさい」と言われると、背筋をピンと伸ばし、腕組みをして我々の前に立ち、しっかりと挨拶をするのには感心する。

挨拶の中身に決まりはなく、相手に合わせて内容を変えるほうが、より喜んでもらえる。若い夫婦が相手なら「かわいい赤ちゃんに恵まれますように」に、年配の方が相手なら「100歳までもお元気でお過ごしください」など、といった具合だ。

私は、年が明けて初めて会う人には、大して親しくない人でも、年賀の挨拶をするようにしている。例えば、時々、立ち寄る屋台のおばさんや、カフェのスタッフなどだ。「チュック・ムン・ナン・モイ」(明けましておめでとうございます)に続いて、「おばさんが元気で、お客さんがたくさん来ますように」など、年賀の挨拶をすると、驚くほど喜んでくれる。

思い返すと、私が子供の頃は、我が家でも似たことをしていた。元日の朝には、和室の床の間を背にして和服を着た両親が座り、それに向き合って子供3人が正座する。そこで子供が年賀の挨拶すると、両親が返礼をしながら、お年玉をくれた。今、日本でこういう情景を見ることは減っているだろう。

ベトナムでも、年賀の挨拶は簡略化されていくのかもしれない。しかし、私はこの美しい習慣を、ぜひ残して欲しいと思うし、自分自身、毎年、続けたいと思っている。

(初出:読売新聞・国際版 2018年2月16日/改稿:2019年3月18日)
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