サイゴン路地裏物語

ベトナム・ホーチミン市の路地裏に住む日本人が見た素顔のベトナム人。


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サイゴン路地裏物語



結婚までの長い道のり

以前に娘の家庭教師をしてくれていたハンさんが結婚することになり、数日前、披露宴に出席した。

「彼氏ができたので」と2人して我が家を訪れてから、この日を迎えるまで、何年かかったことだろう。ベトナムでは「結婚とは家と家とが結びつくことだ」という風潮が、日本よりもはるかに強い。だから結婚には、何かと手間と時間がかかるのだ。

例えば、私たち夫婦の場合、つきあい始めてから結婚するまで約3年かかっている。最初しばらくはグループ交際だった。彼女を外出に誘うと、必ず同僚や友人がついてくる。

一対一で会うためには「あなたのご両親から、私の両親に正式な申し込みが必要」だと言われた。当時住んでいたのは、彼女がベトナム、私は日本である。

そこで私が訪越するときに両親に同行してもらい「ウチの息子が、お嬢さんと交際する許可を頂きたい」と申し込みをした。そこで許しが出て、初めて2人だけで外出ができるようになったのだ。

その後、彼女の家族行事に出席する機会は減るどころか、逆に増えた。親族の誰かの誕生日会があれば参加するし、小さな甥っ子・姪っ子を遊びに連れて行くこともあった。

それを積み重ねて、結婚の申し込みができるだけの信頼が得られたのは、交際開始から1年半後のことである。

プロポーズには、私の両親から直筆の手紙による申し込みが必要だという。父に頼んで日本語で手紙を書いてもらい、それに英語の翻訳文を添付して彼女の両親に渡した。具体的に結婚の準備に入ったのはそれからだ。

当時の私は「相手の親と結婚するわけじゃなし、なんて面倒くさい」と思っていた。しかし、いざ結婚してみると「結婚前に、本人の家族や親族のことを知っていたのは、いいことだったな」と感じている。

恋愛はともかく結婚となると、「本人たちの問題」で済まないところが少なくない。「この家族なら一緒にうまくやっていけそうだな」と分かった上で結婚できるのはとても安心である。

私たちが結婚したのは2001年だから、17年も前のことになる。最近はベトナムでも「結婚は本人同士の問題」と考えるほうが一般的だろう。親に黙って同棲をする若いカップルもいるし、結婚と恋愛を別物と考える人も増えている。

ただ、結婚を考えているなら、本人だけでなく、家族・親族との相性も事前に確認しておく「ベトナム方式」は、長い目で見ると合理的だと思う。

ハンさん夫婦も長い時間をかけて、お互いの家族同士の親交を深めたようだ。さっそくハネムーンベビーに恵まれたそうで、2人が赤ちゃんを連れて我が家を訪ねてくれる日を心待ちにしている。

(初出:読売新聞・国際版 2017年6月2日/改稿:2018年12月10日)
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