サイゴン路地裏物語

ベトナム・ホーチミン市の路地裏に住む日本人が見た素顔のベトナム人。

サイゴン路地裏物語

親思いの娘たち

親思いの娘たち

親思いの娘たち

「この週末は実家に帰っていたのよ」
というのは取引先のベトナム人社員・フーンさん。彼女の故郷のベンチェー省までは約100キロある。
「また帰ったの? テト(ベトナム正月)にも帰ったんでしょう? あれから2週間も経ってないよね」

「テト以外にも、毎月、1回は必ず里帰りするのよ」
土曜日は半日勤務なので、それが終わると、バイクで約3時間かけて帰省。実家で1泊して、日曜日の夜に戻ってくるそうだ。

「毎月って、大変だね」
私が尋ねると、
「それまで一緒に住んでいて、毎日顔を見ていた娘と、月に1回しか会えないんだから、両親はとっても寂しい思いをしているのよ。本当ならもっと頻繁に帰りたいくらい」
という答えが返って来た。

ホーチミンの隣にあるビンズン省出身のトゥーさんは、更に頻繁で、毎週、実家に帰っている。
「週末は私の手料理を両親に食べてもらうの。それが私を育ててくれた両親へのささやかな恩返し」
と泣かせることをいう。

ホーチミン市内で一人暮らしをする彼女の家から実家までは40キロ少々。ベンチェーに比べると近いが、それでも毎週、バイクで往復するとなると大変だろう。例え大雨が降っても、帰省を欠かすことはない。

「週末だったら、デートするとか、友だちと遊びに行くとか、したくない?」
と尋ねると、
「彼氏も私の実家に一緒に行くの。それがデート」
だそうだ。

遠隔地に住んでいても、年に1回、テトには帰省する人が多い。年末の空港は国外に住んでいる人の帰国ラッシュでごった返す。

「親と離れて住んでいて、なかなか会えないので毎日メールか電話で連絡している」という人も珍しくない。知れば知るほど、ベトナムの親子の絆の深さには驚かされる。

私自身もこんな経験をしたことがある。妻と私が日本で生活していたときのことだ。その年は、秋に一度、ベトナムに帰ったので、テトには、帰省しないことにした。それを妻が実家の母に伝えると、母はショックで寝込んでしまい、1週間、まともに食事ができない状態だったそうだ。

ベトナムの親は子どもを溺愛する。そうして愛情をかけるから、子どもが大きくなったときには、その恩返しをするのだろう。これには「お互いに親離れ・子離れしていない」という負の側面があるのも事実だ。しかし私には、ベトナムの濃密な親子関係がちょっとうらやましい。

(初出:読売新聞・国際版 2018年4月12日/改稿:2019年4月1日)

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